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五十路男物語
第4章 あたらしい暮らし、その先へ
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優太と一緒に特急に揺られて1時間と少し。
白老駅に着くと海の匂いと潮っぽい風。
「白老ついたよ」
「ついたねー笑」
優太の手をとって、三角屋根が印象的な駅舎をぬけて、白老の地を踏みます。
この街で、改めて私たちの新しい暮らしが始まるんだなと、身が引き締まる思いと、新しい4人での暮らしへの希望に溢れた感覚でした。
そして、駅から10分程度の道を優太と2人で歩いて新居に到着しました。
こんにちは新生活
新居に到着すると、前日に引っ越しの運び込みが終わっていた理沙と遥、そして理沙のお母さんが来ていました。
理沙「お帰りなさい。」
遥「なち君ゆうた君おかえりー。」
お母さん「お疲れ様でした。お邪魔してます・笑」
なち「ただいま。」
優太「ただいまーー!!!」
理沙「なち君たちの荷物届いてたけど、アレで全部?」
なち「うん、出来るだけ身軽にしたかったからね。」
札幌の家を引き払うときに、生活に必要な家財道具のほとんどは美雪達に渡しましたし、不要な荷物は思い切って処分してしまったので、優太の衣類と本やおもちゃ、私の衣類と本とノートパソコンくらいでした。
家のなかを見回してみると、几帳面な理沙らしく、すでに自分たちの荷物は綺麗に片付けられていて、今すぐになんの不足も感じずに生活が始められそうな状態でした。
お母さん
「いま、引っ越し蕎麦茹でますから、なちさんたちはゆっくりとしていて下さいね。」
オッサンの冷や水
お母さんが引っ越し蕎麦を茹でてくれている間、遥と優太と家の外に出てみます。
新築物件なので、まだ駐車場は舗装されておらず、むき出しの砂利状態でした。
優太は誕生日に買って貰った足こぎ式の自転車で遊び始め、私はといえば、改めて新居を眺めながら、「うーん、流石新築綺麗だねぇ♪」などと考えていると
遥「ねぇ、なち君と優太君で鬼ごっこやろ♪」
優太「じゃあパパが鬼ねー!!」
なち「よーし、10秒したらマジで捕まえるぞー笑」
キャァァァァァーーーーと逃げ惑う子供たち。
ろーく、なーな、はーち、きゅーう、じゅう!!!
オルァーーーー捕まえるぞー笑
全力ダッシュをするはずが、最近忙しくて運動不足気味の40代オッサンです。
脳内のイメージと実際動く体のイメージの違いとでも言いましょうかww
強く蹴った軸足が砂利道の砂利で滑って、顔面から駐車場へダイブ☆
ズシャァァァァーーーーーー
白老到着初日から★になりました。
もういい年なのに顎を派手に擦りむいて血を流しながら🩹リビングに戻ってきたおっさんにキッチンの2人は目を丸くしながら
理沙
「大丈夫??いま救急箱だすね🩹」
「もー・・・初日から何やってるのw」
テンションダダ下がりで理沙にデカい絆創膏を貼ってもらいます。
「初日から心配かけてスミマセン・・・」
そんなこんなで、お母さんが茹でてくれた引っ越し蕎麦を5人で食べ、子供達はTVを見てのんびり。
お母さん
「私洗い物やりながら子供達見てるから、アンタたちは散歩でも行ってきなさいwww」
新しい街をふたりで
おもわぬお母さんの気遣いで?2人時間に。
どうする?
どうしよう笑
じゃあちょっと街の中を歩こっか笑
日が傾きはじめて、橙色に色づき始めた夕暮れの白老の街を手を繋ぎながら、あてもなく駅に向かって歩きます。
なち
「…やっと白老生活が始まるね。」
「お互い、無理はしないようにやろうね」
理沙
「うん、よろしくお願いします。」
なんだか少しだけ照れくささもありながら、心の奥が嬉しくてじんわりと暖かくなります。冬の時点では、こんなふうに安心してパートナーと歩く日が来るとは思ってもみませんでした。
4章の1話で書きましたが、
「優太に寂しい思いはさせない。」
「優太を必ず幸せな大人にする。」
それだけではなくって、美雪と離婚を決めたとき、前を向いて生きるために、自分自身に誓ったことがありました。
「俺自身も絶対に幸せになってやる。」
それが美雪を見返すことだ。
そんな思いもほんの少しだけ残っていました。
でも、そんなどこか後ろ向きの気持ちよりも、今日からの新生活への大きな希望に満ちていました。
理沙「ちょっと寒くなってきたね。」
もう春とは言え北海道の3月末です。
私は繋いだ手を自分のポケットに入れました。
「ほら、あったかいよw」
「なち君、なんかウケるんですけどw」
そう言いながらも満更でもなさそうな理沙。
ただ、手を繋いで、隣を歩く。
それだけで、胸の奥がゆっくりと満たされていくようでした。
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コロナ禍の中優太の入学式を迎えます
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