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五十路男物語
第4章 あたらしい暮らし、その先へ
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さて、迎えたクラフトイベント当日。
バスの窓から流れる雪景色を眺めながら、優太が突然口を開きます。
優太
「パパ、はるちゃんってどんな子なの?」
なち
「んー、勉強できて、すごくしっかりしてる感じかな。髪が長くて、かわいい子だよ」
優太
「髪長いんだー」
「りさちゃんって人は?」
なち
「ニコニコ笑っていて、優しい人だよ」
「そうなんだー」
そこで優太は少し無口になります。
理沙と遥のことはすでに伝えてありました。
「パパが仲の良いお友達」だとは私から聞いて知ってはいても、実際に会うとなるとコミュ力の鬼である優太でさえ、少しだけ緊張しているのがわかります。
優太の頭に軽く手を置いた私。
「優太くん、大丈夫だよ。綿棒で何作ろうか?」
「楽しみー♪」
優太の表情が少し明るく戻るのを確認すると、ほどなくバスが最寄りの停留所に到着します。
ご対面
うっすらと雪が積もり始めた藻岩山麓の高台にある、古民家をリノベーションしたカフェが、今日の会場でした。
到着すると、先についていた理沙と遥が、お店の外で待っていました。
理沙が柔らかく微笑んで一歩前に出ます。
「優太君、初めまして。理沙って言います」
遥も少し緊張した様子で続けます。
「はるかです。小学校1年生だよ」
優太は二人を交互に見て、ニコニコしながらはっきり名乗ります。
「ゆうたくんです。5さいです! もうすぐ小学生です!」
クラフトワークのイベント開始まで時間があったので、カフェでお茶をしながら待つことに。
ジュースを飲み終わった遥が、優太に声をかけます。
「優太君、あっちで一緒に本読もう♪」
「優太くん、漢字も読めるんだよ!」
優太は得意げに胸を張り、遥の差し出した手を握り、二人はフリースペースのキッズルームへ、手を繋いで走っていきます。
その姿を眺めながら、理沙と目が合いました。
二人で顔を見合わせて、ほっと一息。
…どうやら大丈夫そうです。
綿棒工作のお時間です
イベント開始のアナウンスが流れ、カフェの奥にある作業スペースへと移動しました。
長机の上には、綿棒がたくさん入ったケースと木工ボンド。
ワークの内容は、綿棒の端を木工ボンドで繋げて三角形を作り、それを広げていって好きな形にしていく、というものでした。
眺めていて面白いのは、几帳面な遥と、わりとざっくり雑な優太の違いでした・笑
優太が困っていると、理沙が自然に手を差し伸べていきます。最初は照れくさくて話せなかった優太も、だんだん心を開いていきます。
「ここは、こうしたいんだよね…」
楽しそうに工作を進める優太の横顔を見ながら、ただその様子を見守っていました。
理沙と優太が並んで工作をしている姿を見て
「ああ、大丈夫そうだな」
と少し安心したのを覚えています。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、ワークイベント終了の時間に。
理沙「優太君、楽しかったかな?」
優太「うん、面白かった!」
「はるちゃん、また遊ぼうね!」
遥「うん。今度私のキッチン見せてあげるね」
少しお姉さんぶった言い方で、遥も笑顔で頷きます。
理沙にセッティングしてくれたお礼を伝え、ほっとしながら優太と一緒に古民家カフェを後にしたのでした。
帰路のバスの中で
帰りのバスの中で、イベントの話をしながら、優太に意を決して切り出ます。
「パパさ、もし理沙ちゃんと遥ちゃんと一緒に暮らせたらいいなぁとか思ってるんだけど。…今日会ってみてどうだった?」
優太
「うん、はるちゃんもりさちゃんも、大好きになった!」
なち
「そっかぁ。良かったぁ」
優太
「もしママのところに行ったら好きな人一人だけど(※)、パパと行くと好きな人が3人になるから!」
※姉の綾はどこ行ったwww
なち
「そっか笑」
春からの暮らしがどうなるのかは、まだ分かりません。
でも、今日一日で心配していたことがひとつ消えました。
優太も、理沙と遙が好き。
それが私は、とても嬉しかったです。
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大人同士の関係は良好・・・でも
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