価値観の相違

第4章

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五十路男物語
第4章 あたらしい暮らし、その先へ
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前夫の元を離れてから、遥を守りながらずっと母一人娘一人の子育てをしてきた理沙。

遥は勉強もスポーツも出来て、7歳なのに家の手伝いもしっかりできる子でした。そんな2人での暮らしをずっと続けてきたので、ある意味、母と娘が一心同体な部分も少なからずありました。

そんな、女の子の子育てしかしたことのない理沙にとって、6歳男子は「異星からやってきた不可解な生物」のような存在でした。

家の中でも常にダッシュだったり、ポッケに謎の物体が色々入っていたり、人の話を全く聞いていなかったり・・・。
いわゆる、様々なところで取り上げられる小学生になったばかり男子のテンプレ的行動パターンなのですが…。

今振り返れば、理沙がこうした優太の行動を気にして、少しずつストレスを蓄積させていたことがわかります。でも当時の私は、そのことにほとんど気が付いていませんでした。

理沙の言葉

閉店セールの多忙が続いて、まだまだ長距離通勤にも体が慣れずに、新生活開始早々から家ではぐったりする日々が続いていました。

私の仕事が早番で早く帰宅していた日。

理沙から「子供たちが寝てから少し話したい」と言われました。

子供たちが眠った後、ワインを飲みながら話します。思えば、引っ越してきてから毎日バタバタで、ゆっくりと2人で話をすること自体が久しぶりでした。

なち
「改めて話って、どうしたの?」

理沙
「優太君の行動に凄くストレスを感じているの。」

なち
「ストレスって・・・。具体的にはどんな感じ?」

理沙
「私が話していることを全然聞いていなかったり。」
「聞いたことに対して全く違った答えが返ってきたり。」
「家の中で常にダッシュだったり。」
「すぐ下品な言葉を使ったり。」
「あと、お箸の使い方とか見ているとイライラする。」

そんなん6歳男子としては別に普通じゃね?と感じましたが、敢えてそこには突っ込みませんでした。

なち
「なるほど、俺はどうしてあげたらいいかな?」

理沙
「会社にお願いしてもっと早く帰ってきて欲しい。」

なち
「いやいやいや、今一番大事な時期だし、店長やからそれは難しいわ・・・」

理沙
「なち君、もっと真面目に私の話を聞いて欲しい。」

なんだか会話が堂々巡りになり始めたので、
「理沙ちゃんの気持ちは分かったよ。」
「上手く回せるように考えてみるよ。」

と話してその日は会談を終えたのでした。

ファミサポ提案

それでも、私も理沙も多忙な日々は進んでいきます。

そんなある日、理沙の口から

「なち君、白老のファミサポの申し込みを考えて欲しい。」

と言われました。

「ファミサポ?」

※ファミサポとは、カンタンに言うと地域で子育ての援助を受けたい人と、援助したい人をつなぐ仕組みです。

理沙から説明されて、自分でも調べてみるから、ちょっと待ってね。と返事をして、自分なりに精査してみました。

調べてみると、我が家でサポートが必要だった時間帯や曜日、お願いしたかった内容などを考えると、どうにも上手く噛み合いません。

総合的に考えて、「今の我が家で困っている部分には、あまり適合しないなぁ」という結論になりました。

本来なら、この時点でさっさと理沙と情報共有すれば良かったのですが、日々の忙しさに掻き消されて、すっかりシェアすることを忘れてしまっていました。

でも、自分なりに沢山考えてみた結果・・・。

理沙も、優太との関係をなんとかしようとしている。なら、俺が頑張って二人の間に入れば、この家は上手く回る。

「俺が二人の間に入れば、なんとかなる。」

そんなことを考えていました。

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