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五十路男物語
第4章 あたらしい暮らし、その先へ
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優太を幸せにするために。
そして自分もふたたび幸せになるために。
そんな気持ちで始めた新生活でしたが、思うようにいかないことばかりでした。
私は遠方への通勤に加え、新店舗の開店準備。帰宅が遅くなったり、家に帰れない日も増えていました。
理沙も慣れない仕事に、元夫との長く続く問題。そして今まで一緒に暮らしたことのない、6歳の男の子との生活。
家の中では優太が何かをやらかして理沙が怒り、それを見た私が腹を立て理沙と衝突する。
私は「優太にもう少し優しく接してほしい」
理沙は「もっと家の事を一緒にやってほしい」
理沙の言っていることにも正しさはあります。
でも、だからといって私の感じていることが消えるわけでもありません。
お互いに「なんとかしたい」と思っているはずなのに、話し合えば話し合うほど、なぜか話が噛み合わない。そんなことを何度も繰り返していました。
だったら、俺がもっと間に入ればいい。
上手く行かないなら、事前に自分が動いて、上手く行かない要因を出来るだけ小さくしよう。
まずは、俺がなんとかする。
そんなことをいつも考えていました。
遊び場事件
GWの無計画札幌ツアー以降、家の中で優太と理沙が衝突する機会を減らすため、そして大人同士の余計な軋轢を避けるために、休みの日は優太を連れて二人で外出することが多くなっていきました。
今の目線で改めて考えてみると、私が優太ばかりを連れて外出することを、理沙がどう感じていたのか。そこまで考えられていたかというと、正直そんな余裕はありませんでした。しかし、当時の私は、それが一番いい方法だと思っていました。
ある週末のこと。
理沙は遥と外出する予定があったので、日曜日は私と優太の二人だけ。
じゃあどこかに出かけようかな…と思い理沙に何気なく聞きます。
なち
「なんか白老とか登別とかで子連れで遊べるいいスポットとかあるかな?」
理沙
「…。」
「子供と遊べるいい遊び場を調べるのも時間と手間が掛かるんだよ。」
「なち君はそれにタダ乗りしようとしているように感じる。」
なち
「いや、別にそんなつもりは無いし。」
「そう感じたのなら伝え方が悪かったね。ゴメンね。」
(…めんどくせーな。)
私としては、理沙を利用しようなんて気は毛頭ありませんし、全く他意もなく尋ねたことに対して思いのほか強い反応が返ってきたことに、軽く腹立たしさと戸惑いを覚えるのでした。
結局、なんだか興ざめしてしまった私は、家で優太とカップラーメンを二人で食べて、アマプラでドラえもんの映画を見ました。
理沙のカウンセリング
そんなある日、平日に一人で公休だった昼間に家の掃除をしていると、「ステップファミリー」と書かれたバインダーがありました。
「ステップファミリーとは?」
ステップファミリーとは、夫婦のどちらか一方、または双方が以前のパートナーとの間に生まれた子どもを連れて再婚や事実婚をし、形成された家族形態のことです。
出典元:ママスマ
なにげなく手に取って中を見ると、理沙とステップファミリーの関係改善カウンセラーさんとのやりとりでした。
優太に対してその日に腹が立ったこと。
その中でも、怒らずに対応できたこと。
そんなことを理沙が書き、それに対してカウンセラーさんがコメントを返す。
そんな内容だったと記憶しています。
なんか前にどっかであった話を思い出さなくもないですが…。
理沙なりに優太との関係に悩んで、それを改善しようと努力してくれていることは嬉しく感じましたが、このノートはもう開くまいと決めて、このことに関しては敢えて自分から触れずに見守ろうと決めました。
新店舗準備
1か月のロングランで続いた閉店セールも無事に完走。
並行して新店舗の内装工事も着々と進んでおり、新店舗の棚割りや商品構築と開店セールの段取りをすすめながらも、コロナ禍の真っただ中で近年最高の売上を叩き出していました。
自分が店長のポストに就いてしっかりと実績を残せたことはとても嬉しく誇らしく思いましたが、ここからが本当の本番でした。
テナントビルの取り壊しがスタートするため、閉店後1週間で店舗を完全撤収して、新店舗への移転と開店セールのための準備、備品や事務用品など全てを準備しなくてはいけません。
無事に全ての搬出と搬入が終わったのは新規オープンの1週間前。
本社組の援軍は全く当てにならないので、現場スタッフのみで全ての準備を終わらせなくてはなりません。
もう泊まり込み確定でした。
店長としては「家が遠いからサッサと帰りまーす」というわけにはいきません。
いよいよ、開店へ向けての追い込みモードがスタートします。
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トラブル時に急遽もどれない現実が
【第4章 第19話へ続く】
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