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五十路男物語
第4章 あたらしい暮らし、その先へ
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優太との2人での暮らしへの悩みはずっと尽きずにモヤモヤしていましたが、無事に白老行きも決定。
私と優太は白老へ。
美雪と綾は東京へ。
それぞれの新しい暮らしへの準備も順調に進み、あとは綾と優太の卒業式と卒園式を迎えるのみでした。

夏帆ちゃん家にて
私たち4人がそれぞれの道に進むと知った、自然園時代からのパパママ友達たちが夏帆ちゃんの家で追い出し会を開いてくれました。
当日は美雪と綾は別件で参加できず、優太と2人で参加しました。
私も久しぶりの友達やその子供たちとの再会が嬉しく、楽しい時間を過ごしました。
いつもながら優太は自然園のお兄ちゃんお姉ちゃん達からかわいがられていました。
バリ行きから今に至るまでの全てを知っている夏帆ちゃんは、いつも以上のテンションで私と一緒にワインを飲んで・・・
「なち君頑張ってね。幸せにね・・・」と言いながら、何故かボロボロ泣き始めます。
「いや、なんで夏帆ちゃんが泣いてんのよ(笑)」
「だってさー…うえーん(泣)」
・・・貴女、そんなに泣く人でしたっけ??
私たちが札幌を離れるため暫く会えなくなることもあってか、みんな大盛り上がり。
そして、夏帆ちゃんとおなじく美雪との今までのことを全て知っている奈央ちゃんが隣に座りました。
なち
「おー、奈央ちゃん飲んでるー?」
奈央ちゃん
「飲んでるよー♪なちが持ってきたこのワイン旨いね♪」
・・・。
「まー、美雪ちゃんとのことは残念だったね」
「なちも長い間、よく頑張ったよ」
「普通のヤツにはなかなか出来る事じゃないよ」
黙って頷く私。
「美雪ちゃん、幸せになったら良いね。」
「なちもちゃんと幸せになるんだよ。キミにはその権利がある。」
そして、奈央ちゃんがハッと何かを思い出したかのように言います。
「忘れてた!彼女の写真見せろ!」
スマホに理沙と2人で撮った写真があったので見せます。
「オイ、彼女めちゃカワイイじゃん!!」
奈央ちゃんの声を聞いてどれどれと友人たちが集まってきます。
「おー、かわいいかわいい。」
「どこで会ったのよwww」
奈央ちゃん
「抱き心地よさそうだし、おっぱいもデカいしなwww」
「なんだよー、うまくやったな!」
「で、やったのか?」
なち
「…ハイ。」
もうオッサンです、このひと(笑)
ありがとうとさようならを
そして数日後。
半年間続いた少し不思議な生活も、とうとう最後の日を迎えました。
この日のことは第3章の最後で書いています。

そして…。
優太とふたりで、美雪と綾の乗ったタクシーが見えなくなるまで見送りました。
もちろん、一抹の寂しさと、どこかで割り切れない思いは残っています。
まっすぐ前を見つめる優太が何を思っていたかは分かりません。
でも、あえて私は明るい声で
「なんか腹減ったね。パンでも買って帰るか!」
「ゆうたくん玉子サンド食べたい!」
むかしから家族でよく利用していた、家の近くのパン屋さん。
最後に、優太お気に入りの玉子サンドを2つと、私のコーヒー、優太のリンゴジュースを買いました。
家に戻り、ふたりで少し遅い昼ごはんを食べました。
そして、優太と部屋の最後の掃除をして、管理会社さんと退去の立ち会いを行いました。
4年間、家族で過ごしたこの家とも本当にお別れです。
新しい旅立ち
立ち会いも終わり、札幌駅へ向かう時間になりました。
よし。優太くん行くか!
うん!
荷物のほとんどは宅急便で送っていたので、手荷物はキャリーバッグ一つ。
それを引っ張りながら、優太とふたりでYouTubeのポケモンの動画を見ながら札幌駅へ向かいました。
そして、白老へ向かう特急に乗り込みます。
ホームの立ち食い蕎麦屋で買った温かいたぬき蕎麦を、テイクアウトのプラ容器のまま座席で食べます。
朝まで暮らしていた家は、もうありません。
これから帰るのは、白老の新しい家です。
「優太くん、そろそろ発車の時間だよ」
「はるちゃん、待ってるかなー♪」
そして…。
ホームにアナウンスが流れて――
特急の発車ベルが鳴りました。
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