重いGW

第4章

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五十路男物語
第4章 あたらしい暮らし、その先へ
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私たち家族のはじまりと激動の4月も終わり、北海道にも遅い桜の便りが届いていました。

私は閉店と開店の準備に忙殺されながら、長距離通勤での疲れが抜けず、理沙とも円滑にコミュニケーションが取れていませんでした。
理沙もまた新しい職場での新しい仕事に戸惑う日々の中で、前夫との問題が長期化して疲弊していました。

そんな余裕のない大人二人の間で、優太が何かやらかしては理沙が怒り、それを見た私が腹を立て、今度は理沙と私が喧嘩する。

家の空気は、重いものへと変わっていました。

ゴールデンウィーク突入

感性のままに生きる鉄砲玉6歳男子が大人の都合にあわせて上手く立ち回るなんて、どだい不可能なことです。

いつしか、いつも明るい息子の表情にも影が見えるようになりました。

正直言って、愛する息子が泣いている姿も、これからを共に生きていきたいと思うパートナーが怒っている姿のどちらも見たくはありませんでした。

なら、家の中で私が間に入ってふたりの距離感を上手く調整すれば諍いごとも減るし、優太が怒られる回数も減らせる。

理沙の問題も、自分の仕事も落ち着いたら、もう少し家の中も上手く回るようになるのではないか。

理沙から距離を取りたいなどと考えた訳ではなく、そんなことを当時の私は本気で考えていました。

必然的に、休みの日になると私が優太を外に連れ出して遊びにいく回数が増えてきました。

「家にいて揉めるくらいなら遊びに行けばええやん」
「優太も楽しいし、それで丸く収まるならええやろ」

そんな感じでした。

何のきっかけだったかは忘れてしまいましたが、理沙と遥は札幌の実家の両親のところへ泊まりで行く用事があり、私もGWスタートにあわせてたまたま連休でした。

理沙と遥を優太と一緒に見送ったあとで、
優太に話します。

なち「今日明日と予定無いけどワシら何するかね・・・」
優太「パパと遊びたい・・・。」
なち「そっか。」

しばらく考えた後で

「札幌行ってどっかホテルにでもお泊まりするかーー!!!」
「行きたい!!!」

ぱっと顔が輝く優太。

思うところが山ほどある父は泣きそう。

「よーし決まり!いくぞ!!」

コロナ禍で自分の仕事にも多大な影響が出ていましたが、こと旅行に関しては、ホテルが驚くほど安く、しかもガラ空きでした。

無造作に優太の1日分の着替えと歯ブラシ、B社の学習タブレットをリュックに放り込んで・・・

無計画札幌ツアーへGO!!

電車でGO!

久々の特急電車にはしゃぐ優太。

父は普段から仲良くさせて貰っている取引先の店主さん数名へLINEなどポチポチ・・・。

GWだから仕事おしてたら普通に断ってくれて良いからね。
そのうえで、折り入ってのお願いになってしまうんだけど・・・
これこれこういう訳でススキノで息子とお泊まり会で・・・
賄いみたいな感じで良いのでなんか旨いものを・・・

・・・ポチポチ。

そして札幌駅到着。

「優太君何したい?」
「マリオカートやりたい!!」

って折角札幌まで来たのにゲーセンかよww
まぁいいか。

「パパー!このピカチュウ取れるかな?」

UFOキャッチャー職人な父は普段なら俄然頑張るところですが、余計な荷物が増えたら後で面倒なので却下。

優太と2人で沢山遊んでススキノへ向かい、LINEでお願いをしていたお店に向かいます。

店主さん
「なちさん丁度用意出来てますよ!」

なち
「GWの忙しい時に無理なお願いしてホントごめんね。」
「ほんっっっとに有難う!!」

店主さん
「コロナだから暇なんですww」
「そっちがチビなち君だね。こんにちは。」

優太
「優太といいます。小学校1年生です!」

店主さん
「おっ、いい返事だね。なちさん、ちょっと良いマグロ入れときましたよw」

なち
「いやいやいや、ちゃんと利益取ってねって言ったらやん。」
「でも、お気遣い有難う!オッサン嬉しい」

店主さん
「優太君、パパと楽しんで来てねー♪」

こんな感じのやりとりだったように記憶しています。

急なお願いを快く引き受けてくれた店主さんへ心からの感謝を告げてホテルへ向かいます。

ホテルに着くと、早速優太のために作ってもらった特製弁当を広げます。

・・・めっちゃ豪華やんwww

「優太くん、好きなの食べてええぞー。」

二人でお腹いっぱい食べたあとは、Amazonプライムで好きなアニメを見ながらゴロゴロ。

ツインルームなのに、結局ひとつのベッドで二人で寝ました。

翌日、札幌駅で再度ゲーセンで遊び、回転寿司を食べ、楽しい札幌2人旅を満喫しました。

「優太くん楽しめたかな?」
「うん、めっちゃ楽しかったーーー!!!」

優太と二人、家へと帰る道。
行きとは違って、私の足取りはとてもとても重いものでした。

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第4章 第18話へ続く
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