第4章

第4章

開店前夜

締め出し事件以降、家の中での不和はかなり表面化してしまっていました。今回の一件に関して自分の対応の落ち度が大きかったのは重々承知していましたが、私の中では理沙の優太への対応に対して大きな疑問符がついてしまい、信頼できないという訳ではありませんが、心のどこかで一線を引きながら話している自分がいました。
第4章

締め出し事件

新店舗のオープンまであとわずか。私の仕事もいよいよ最後の追い込みに入り、家を朝早く出て夜遅くに帰宅する日々が続いていました。日々がかなりハードで毎日栄養ドリンクを飲んでいた記憶があります。そんな初夏のある日のことでした。
第4章

なんとかする

優太を幸せにするために。そして自分もふたたび幸せになるために。そんな気持ちで始めた新生活でしたが、思うようにいかないことばかりでした。私は遠方への通勤に加え、新店舗の開店準備。帰宅が遅くなったり、家に帰れない日も増えていました。
第4章

重いGW

わたしたち家族のはじまりと激動の4月も終わり、北海道にも遅い桜の便りが届いていました。私は閉店と開店の準備に忙殺されながら、長距離通勤での疲れがなかなか抜けず、理沙とも円滑にコミュニケーションが取れていませんでした。理沙もまた新しい職場での新しい仕事に戸惑う日々の中で、前夫との問題が長期化して疲弊していました。
第4章

にんじん事件・第2幕

モヤモヤした気持ちを抱えながら、部屋の掃除をして出勤します。その日は遅番勤務で最終便で帰宅する日でした。忙しく仕事を捌いていると、夕方を過ぎてからピロリン♪ 理沙からのLINE。「にんじん食べられません。よろしく。」「何度話しても駄目です。」朝の件の後だけに、この短い文章が嫌な予感しかしません。こころここにあらずで精算業務を済ませると、最終の特急で家路につきます。
第4章

にんじん事件

4人で一緒に暮らし始めて半月がたち、いろいろなことが少しずつ見えてきました。理沙は自分の中で信念をしっかりと持っているひとで、それに向かって進んでいくタイプ。物事の大小に関係なく、ひとつひとつきちんと向き合おうとする。それはとても良いなと感じていましたが、・・・時々めんどくせーなと感じる時もあり。基本的に「良いことはいい。ダメなことはダメ。」というのがハッキリとしていました。取り敢えず「まぁまぁ・・・。」でバランスを取ろうとする私とは、正反対の部分でした。
第4章

価値観の相違

前夫の元を離れてからというもの、遥を守りながらずっと母一人娘一人の子育てをしてきた理沙。遥は勉強もスポーツも出来て、7歳なのに家の手伝いもしっかりできる子でした。2人での生活をずっと続けてきたので、ある意味、母と娘が一心同体な部分も少なからずありました。そんな、女の子の子育てしかしたことのない理沙の前に現れたのは、まさに「異星からやってきた不可解な生物」のような6歳男子でした。
第4章

小さな違和感

片道1時間半の特急電車通勤がスタートしました(割とキツイw)勤務先のテナントビルの閉館までラストスパートに入り、新生活のスタートと同時に、仕事の忙しさもピークを迎えようとしていました。理沙も新しい職場での慣れない仕事に忙殺され、子供達も授業が終わると学童へ行き、夕方に理沙と共に帰宅して夜ご飯を食べる。私は山積みの仕事を片付けるため終電での帰宅もしばしばで、不本意ながら、新生活の切り盛りを理沙に任せることが多くなっていました。一方で理沙もまた、前夫との間で長く続いていた問題が再び持ち上がり、そちらでも大きなストレスを抱えていました。
第4章

色鉛筆と入学式

引っ越しの荷ほどきも終わって、恋人同士の私と理沙、それぞれの子供たちとの4人暮らしがスタートしました。通勤は初日から「これが毎日はキッついな…」状態でしたが、まぁそのうち慣れるだろうと楽観していました(笑)真面目で几帳面、正義感が強くて自分の子育ての考え方や方針もしっかりと持っている理沙。割とテキトーだけど責任感は強くて抱え込みがちな私。しっかりしたお姉ちゃんキャラで、自分一人である程度なんでもできるけど、ママっ子の甘えん坊で泣き虫の遙。人懐っこくて、誰にでも明るくて心優しく、でも人の話を聞いていないマイペース人間優太。それぞれに違った家庭で、それぞれ違ったルールの元で生活してきましたので、価値観の相違やズレは、当然ながら存在します。
第4章

こんにちは新生活

優太と一緒に特急に揺られて1時間と少し。白老駅に着いたら海の匂いと少しだけ潮っぽい風。「白老ついたよ」「ついたねー笑」優太の手をとって、三角屋根が印象的な駅舎をぬけて、白老の地を踏みます。この街で、改めて私たちの新しい暮らしが始まるんだなと、身が引き締まる思いと、新しい4人での暮らしへの希望に溢れた感覚でした。そして、駅から10分程度の道を優太と2人で新居に到着しました。