こどもたちの意思

第3章

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五十路男物語
第3章 夢の終わりと再構築
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夫婦の道が分かれることが確定事項になってから、家の中の空気感に耐えかねて、休みの日の昼間は無理に予定を組んで殆ど家に居ませんでした。

それに伴って、休みの日は優太を連れて一緒に遊びに行く機会が増えていきました。
※自由人綾はいつも友達とどっか行ってる(笑)

当時の我が家はバリ島に行く前ほどではないものの、いまだに市販品を排した健康的な食生活でしたが、私は「外出した時くらい」と一緒にアイスを食べたりタイ焼きを食べたり。
普段食べないおやつを喜んで食べる優太の姿が嬉しくって愛おしくて。

美雪との葛藤で枯渇してしまった自身の「喜怒哀楽」のうちの「喜」「楽」の感情が満たされていくような気持ちでした。

いや、きちんと食生活を考えて献立を組んでいる美雪にとっては、本当に迷惑極まりないことではあるのですが。(※お前そーゆーとこやぞ・2026なち)

そんな日々を重ねるうちに、優太と二人で過ごす時間はどんどん増えていきました。
気がつけば、優太はすっかりパパっ子になっていました。

自由人綾は……まぁ、いつも通り淡々としていました(笑)

こどもたちの意思

美雪とも話し合い、家族4人でこれからのことを話し合いました。

基本的に私は仕事の拘束時間もありましたし、子供たちは基本的に母親にべったりだと思っていましたので、私が子供たちのどちらかを引き取って生活していくことは正直言って想定していませんでした。
その分、金銭的に困らないように全力でバックアップするつもりでいました。

「パパとママはね、色々と話し合ったんだけども別々に暮らすことになったんだ。」

「今すぐ決めなくってもいいんだけど、パパかママかどちらと住むかを考えてほしいんだ。」

「どちらかを選んでも、どちらかに会えなくなるとかは無くって、いつでも会いにはこれるようにするからね。」

「しばらく考えてからパパにでもママにでも聞かせてね。」

もちろん、二人ともママがいいって言うんだろうなぁ

仕方ないけど寂しいなぁ

などと、二人に話しながら考えていました。

「ママがいい!!」
優太「パパがいい!!」

即答。

・・・・・・・
・・・・・

ん??
パパがいいですと???

その場は大人二人とも

「そっかー、まずは最初の希望としてはわかったよ。」

そう子供たちに伝えて話は終わりました。

揺れる大人たち

さて、優太の気持ちは物凄く嬉しく感じて涙もチョチョ切れていた父ですが。

いま5歳半の優太のためには果たして良いのだろうか?
母親と一緒の方がよいのではないか?

という気持ちは依然として心を占めていました。
まだ、その段階では本気で覚悟が決まっていませんでした。

ある日、優太と散歩に出かけたときにこれからのことを聞いてみます。

なち
「ゆうた君、ママと一緒の方が良かったりはしない?」
「あやちゃんも一緒に行くわけだしさ。」

優太
「ゆうたくん、パパがスキだからいいんだー。」

なち
「そっか。まぁ急いで決めなくても良いしね。」

そんな話をしながら帰宅した翌日。

美雪から怒りのメッセンジャーが届きました。

私が優太に「ママのところへ行け」と言ったのではないか。

そんな内容でした。

私としては、そんなことを言ったつもりはありません。

「急いで決めなくていい」
「ママや綾と一緒じゃなくても大丈夫なのか」

ただ、それを確認したつもりでした。

そこから、お互いの言葉の受け取り方を巡って、また言い争いになりました。

7年経って、この記事を書くために
当時のメッセンジャー履歴を読み返しました。

今になって読み返すと、
もう、お互いに余裕が無さ過ぎ。
としか言いようがありません。

二人で話し合った時には、

「子供たちの気持ちを優先しよう」

そう決めていたはずでした。

でも、いざ子供たちがそれぞれの意思を示すと、話はそんなに簡単ではありませんでした。

私には、5歳の優太と二人で本当に生活していけるのかという不安がありました。

美雪もまた、離婚してからの東京での新しい生活を模索しているところでした。

仕事はどうするのか。
住む場所はどうするのか。
子供たちの生活はどうなるのか。

二人とも、自分のこれからすら見えていませんでした。

そんな余裕のない大人二人の不安と焦りが、

「子供たちのために」

という言葉の下で、またぶつかってしまったのだと思います。

メッセンジャーのやり取りなのにお互いヒートアップしてしまい、丸1日業務連絡以外は一切口をききませんでした。

そして翌日

一晩経って、私たちも少し冷静になりました。

「昨日はごめん。ちょっと頭に血が上ってた。」

どちらからだったかは、もう覚えていません。
でも、お互いにそんな話をしました。

そして、もう一度確認しました。

子供たちの気持ちを最優先にしよう。

私たちが決めたのはそのことだったはずです。

綾はママと暮らしたい。
優太はパパと暮らしたい。

それが今の二人の気持ちなら、まずはその気持ちを受け止めよう。

そのうえで、本当にそれぞれの生活を作っていけるのか。今度は親として、具体的に考えていくことになりました。

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