妻子の帰国

第2章

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五十路男物語
第2章 バリ島移住奮闘編
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美雪
「無理ってどういうこと?」

なち
「入学費用のプラスアルファ。」
「普段の生活費はギリギリ行けるけど。」
「格好悪いところ見せたく無かったから、年末からずーっと頑張ってきたけど。力が足りなかった・・・。」

美雪
「・・・そっか。」
「最近なんか様子がおかしいなと思っていたよ。」

なち
「入学金はクレジットカード払いができるなら、それもありだと思ってる。」

美雪
「そんなことをしても続けていけなかったら全然意味ないでしょ。」
「ずっと抱え込んでひとりで苦しんでいたでしょ。」
「なち君ひとりに背負わせてしまってゴメンね。」

電話の向こうで美雪がどんな顔をしているのかはわかりません。

私をひとことも責めることのない美雪の言葉に、涙が止まりませんでした。

美雪への申し訳なさ。
もっと頑張れたんじゃないかという後悔。
完遂できなかった無念さ。

約二年間、張りつめていた糸が切れたようでした。

そして、心のどこかでは、

「もう頑張らなくてもいいんだ。」

そんな安堵の気持ちも、確かにありました。

「ちょっと色々と考えてみるから少し時間を頂戴。」

という美雪の言葉に

「ありがとう。連絡待ってる。」
としか応えられませんでした。

妻子の帰国

私はというと、翌日まるまる1日引きずって落ち込んでいましたが、美雪はすでに次やるべき事へと目が向いていました。

美雪
「まずは4月に帰ってから3ヶ月くらいは日本に居るよ。」
「その間にお金貯めれるだけ貯めてみるよ。」
「綾ちゃんの小学校6年生の再編入と優太くんの保育園の手配をお願いします。」

彼女のこういう行動力というか切り替えの早さはほんとうに尊敬していた部分です。

これからどうするにしてもお金は必要なので、私も少しでも収入を増やそうと、ブログを書き続けていました。

そこから三か月が過ぎました。

あの美雪と話し合った日からあっという間でしたが、妻と二人の子供が新千歳空港に戻ってくる日を迎えます。

新千歳空港の到着ゲートをくぐった三人。

小6の年齢になり大人の入り口に立った
自由人・綾。

4歳になった
オレ様・優太。

二人とも半年会わないうちにすっかり大きくなりました。

美雪は以前よりも凜とした雰囲気になっていました。
腹をくくった強さだったのかもしれません。

私はまだ心の奥で期待に応えきれなかった負い目もあり、なんだか目をあわせられなかった記憶があります。

そして、四人で回転寿司を食べて我が家に戻りました。

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