五十路男物語

第4章

きになるひと

そのころ、私は理沙という女性とのLINE交換がスタートしていました。彼女と最初に出会ったのは、もう何年も昔だったと思います。優太がまだ生まれる前で、まだ小学校低学年だった綾と二人で知人の○○さん主催の子育てイベントに遊びに行った時のことでした。会場の○○さんに挨拶に向かうと・・・
第4章

シングルファーザーのススメ?

お話は3章のラストから半年ほど遡ります。妻の美雪と結婚してから10数年。仮面夫婦状態からのバリ島移住に向けての家族4人での奮闘。帰国してから精神的にも深く悩み抜いたすえに、美雪との離婚が決まり、離婚届は正式に私の誕生日に提出することになりました。
第3章

第3章あとがき・2026なち視点

美雪は今、東京で幸せに暮らしているようです。当時の私は怒りも悲しみも強すぎて、相手の景色を見る余裕はありませんでした。今なら少しだけ思います。「あの時、美雪には美雪の景色があったんだろうな。」正解は今でも分かりません。でも、あの頃の私は自分の景色だけで精一杯でした。今は少しだけ、違う景色も想像できるようになりました。
第3章

ありがとうとさようならを

そして、美雪と綾が東京へ向かう日が来ました。荷物の殆どが運び出されてがらんとしている家の中で、わたしはもの思いにふけっていました。その日の朝、私はFacebookにこんな投稿をしました。
第3章

時はすぎて

離婚が決まった頃、仕事でも大きな変化がありました。ある日、上司に離婚することを報告すると、「そうか。2年も日本とバリで離れて暮らしていたら色々難しいよな。」「まぁ、それも人生だよ。」そんな話をしたあと、上司からも大事な話があると言われました。
第3章

離婚届を出した日

子供たちのこれからについて、まずは一つの結論が出ました。あとは離婚届をいつ出すかということでした。私は少し考えました。離婚届を出す日なんて、記念日とは真逆のものです。それでも色々と考えた末、私は翌週に控えていた自分の誕生日を選びました。「よし、来週。俺の誕生日にしよう!!」
第3章

親としてのしごと

改めて、美雪とこれからのことを話し合いました。戸籍上は夫婦ではなくなるけれども、2人の子供の親であることはお互いに忘れないようにしよう。いまこの段階では綾→美雪優太→なちだけれども、子供が改めてそれぞれのどちらかに行きたい。そういう意思を示したときにはそれを最優先しよう。そして、お互いにそのことに感謝しよう。
第3章

こどもたちの意思

夫婦の道が分かれることが確定事項になってから、家の中の空気に耐えかねて、休みの日の昼間は無理に予定を組んで自宅に居ませんでした。それに伴って、休みの日は優太を連れて一緒に遊びに行く機会が増えていきました。※自由人綾はいつも友達とどっか行ってる(笑)当時の我が家はバリ島に行く前ほどではないものの、いまだに市販品を排した健康的な食生活でしたが、私は「外出した時くらい」と一緒にアイスを食べたりタイ焼きを食べたり。普段食べないおやつを喜んで食べる優太の姿が嬉しくって愛おしくて。
第3章

決裂

あの夜、美雪と交わした言葉を、ここに再現するつもりはありません。私は見てしまったことについて美雪に問いただし、美雪もまた、私から向けられていた疑念の眼差しへの悲しさをぶつけました。結婚してから十数年。これほど大きな声で、美雪に自分の言葉をぶつけたのは初めてのことでした。
第3章

心が壊れた日

内容の詳細については、ここでは敢えて書かないことにします。最初は、本当に他愛もないやり取りでした。画面を追いながら、これまで自分の中に積み重なっていたものが、次々と頭を駆け巡ります。黒いノートに書かれていたこと。東京から帰ってくるたび、どこか変わっていったように感じた美雪の雰囲気。夏帆ちゃんに言われた言葉。