目覚めた病室で考えていたこと

アルコール依存症

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五十路男物語
第1章 食道静脈瘤と人生の転機
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目覚めると見慣れない天井。

○○総合病院の個室でした。

胃カメラが入って点滴で麻酔を入れてからの記憶が全くありません。

スマホの時計を見ると11時。
手術室に入ったのが19時頃でしたので、半日以上眠っていたことになります。

ナースコールを押して看護師さんに意識が戻ったことを伝えると、ほどなく主治医の先生が来てくれました。

先生
「なちさん、目が覚めて良かったです。実は出血が酷くて輸血も必要でした。
かなり難しい手術でして終わるまで7時間かかりました。生きて戻られて本当に良かった。」

・・・マジですかー????

思いのほか体が消耗しているらしく、ベッドから起き上がれません。

先生
「奥様には朝にお電話して、お昼過ぎには着かれるとのことでしたので。奥様がいらしたら詳しく説明しますね。」

なち
「生かして頂いて有難うございます。」
先生にお礼を伝えて、病室にひとり。

妻・理彩到着

妻の理彩が到着するまでの小一時間。
様々な思いが頭を駆け巡っていました。

うーむ。
理彩になんて話そう。
不摂生、怒られるだろうなぁ。
隠れて飲んでた酒、どう誤魔化そう。
なんならもう2~3日来ないで欲しいなぁ…。
入院したらお金もかなり掛かるなぁ。

「生きていて良かったなぁ。」

ではなくて、頭の中はそんなことばかり。

コンコン。

理彩さん到着。

理沙
「…生きていて良かったね。」
「・・・」

顔が笑っていません。

なち
「マジで心配掛けてすみません。」

言葉が出ません。

看護師さんに連絡して、主治医の先生から病状の説明を受けました。

先生
「肝硬変が原因です」
「食道静脈瘤が破裂しました」
「あと一日遅ければ危なかったと思います」
「1週間から10日くらいは入院が必要です」

かなり差し迫っている危機的状況の説明を受けていましたが、隣で真っ直ぐ話を聞いている理彩が怒り心頭&呆れモードなのは見ていて分かりました。

そして、この期に及んで

仕事10日も穴あけられないなぁ

などと考えている自分もいました。

理彩
「風香ちゃん(下の子)のお迎えもあるから今日は帰るね。取り敢えず体を休めてね。」

病室のドアが閉まり、私は初めて「助かった」という実感よりも、
「これからどうしよう」という気持ちでいっぱいでした。

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